泣きたくなるくらい綺麗な朝
朝と言っても時刻は10:30を過ぎている。
わたしの休日の朝だ。
でもわたしの休日もコントロールされている。
休日は休むためにあるらしいがそうもうまくいかないなと思うのはきっとわたしが大人になってしまったからだろう。
空はとても広く、時にとても狭い。
雲一つない冬のよく晴れたこの日に手を広げて空を飛べたならどんなに良いことか。
魔法使いが迎えに来る夜があっても良い。
窓をコンコンと叩き、箒にまたがり「迎えに来ましたよ。」と一言私に告げ、差し出されたその手を取り窓の向こうへと行くのだ。
お守りをポケットにしまい、存在しない温かさに目を細め、そして眠りにつく。
夢の中で会えたら、逢えたら、などと。
もっと強く心をもてたなら、などと、つい夢を見てしまう。
"魔法は心次第"と、長寿の魔法使いが言った。
人間も、心が人生のすべてだ。